目次
久生 十蘭
小林 正治君のこと
「NEXUS」45号 あとがき(Revised)
竹内紀吉くんのこと
福岡 徹の作品
私の好きな短歌
クライヴの記憶
私の山歩き
時は過ぎて
偶然の回想
移動する
弔辞
私の好きなヒロインたち
卵子は売れるのか
夏が好き
翻訳を勉強する
つまらない人生
五木寛之
若き日の回想
不意に梅雨があける。 はげしい日ざしが街路樹のうしろまでひた寄せに押し寄せて、セミの声も気だるさを誘うような昼さがり。 バスがあえぎながら走っている駅前や街。そこに金色の火箭(ひや)のような日ざしが降りそそぐ。室内にクーラーがあっても、汗がにじみ出すような夏。暑くて眠れない熱帯夜がつづく。 それでも、私は夏が好きなのである。
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