382

香港映画迷だった。香港映画では、映画監督の徐 克、王 家衛に、いつも関心をもってきた。

もう、誰の記憶にも残ってはいないだろうが、「ハッピ-・ゴ-スト(開心鬼撞鬼)」(ジョニ-・ト-監督/86年)について。
何かの事件で死んでしまった女が幽霊としてこの世に戻ってくる。香港映画では、「チャイニ-ズ・ゴ-ストスト-リ-」などでおなじみだが、この映画はおなじテ-マでも、幽霊が現実の事件にからんでくるバカバカしいドタバタ喜劇。まだ新人だった張 曼玉が可愛い。
ブレイク・エドワ-ズ監督の「スウィッチ」(91年)を見たとき、「ハッピ-・ゴ-スト(開心鬼撞鬼)を思い出した。
こちらのスト-リ-は・・・女たち3人に殺されたビジネスマンが、最後の審判で地上に戻される。ところが悪魔の仕業で、戻ったときには、女になっていた!
ブレイク・エドワ-ズの映画ではおもしろいほうだった。エレン・バ-キンは美女とはいえないが、私の好きな女優。この作品で「ゴ-ルデン・グロ-ヴ」にノミネ-トされたが、受賞はしなかった。これで受賞していたら、もっといい女優になっていたはずだが。 私はこういうバカバカしいドタバタ喜劇も好きなのである。

「ハッピ-・ゴ-スト(開心鬼撞鬼)」に、サッカ-・シ-ンが出てくる。この部分、徐 克のアイディアだが、後年の周 星馳の「少林サッカ-」がこれを発展させたものだったことがわかる。
なぁんだ、あのサッカ-・シ-ンは周 星馳の「独創」かと思ったら、徐 克(ツイ・ハ-ク)がとっくに先鞭をつけているじゃないか。
あらためて、徐 克に敬意をもったが、そのツイ・ハ-クが、俳優としてこの映画に出ているのだからおかしい。
自分の映画に出ていた映画監督としては、「キ-プ・ク-ル(有話好好説)」(97年)に出た張 藝謀(チャン・イ-モ-)がいい。ほんのわずかなシ-ンに出てくるだけで、演技といえるようなものではなかったが、まじめな顔をしているのがおかしい。やはり一流の監督になると、面がまえが違うなあ。