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はら たいら(漫画家)が亡くなった。(06.11.10)

あるとき、私がキャスタ-だったテレビで、マンガの特集を企画したことがある。このとき、「少年ジャンプ」の編集者だった桜木 三郎に相談した。
私がこんな企画を立てた理由は、ここには書かない。当時はまだマンガに対する評価が不当に低かった時代で、私はそうした流れを変えたかった。
桜木 三郎は、私のために奔走してくれて、松本 霊士といっしょにはら たいらが出てくれた。ほかにも出てほしかった漫画家はいたのだが、ことわられた。 みなさん、多忙だったせいだが、私の司会というので敬遠したようだった。
このト-クはおもしろかった。ビデオ録画が残っていないのが残念だが、松本 霊士は『戦艦ヤマト』を連載中だったし、はら たいらはTBSの「クイズダ-ビ-」に出て人気があった。
終わったあと、おふたり、桜木 三郎と酒を飲みながら雑談したのだが、このときの雰囲気は楽しいものだった。私は、見ず知らずの私の番組に出てくれたおふたりに感謝していた。
はら たいらの作品に「モンロ-ちゃん」がある。モンロ-ちゃんは可愛い女で、いつもかろやかなお色気をふりまいていた。こういうエロティシズムは、はら たいらのおだやかな語りくちに、とてもいい香(フレイヴァ-)を添えていた、と思う。
マンガというむずかしいキャリア-を選んで成功した彼は、とてもいいエッセイを書きつづけていた。

桜木 三郎を思い出す。自然な連想で、いつも、はら たいらのことを思い出す。