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偶然だが、BS11で「シンシナティ・キッド」(ノ-マン・ジュイソン監督)を見た。スティーヴ・マックィーン、エドワード・G・ロビンソン、アン・マーグレット、チューズデイ・ウェルド。なつかしい顔ぶればかり。
映画は、ニュ-オ-リ-ンズにポ-カ-の名人で「ザ・マン」と呼ばれる老賭博師が乗り込む。それを迎え撃つ若いスタッズ・ポ-カ-の対決。
ニュ-オ-リ-ンズは、超巨大台風「カトリ-ナ」に直撃されて、かつての姿を失っている。そんなこともあって、この映画に何かノスタルジックな思いを重ねて見たのか。
エドワード・G・ロビンソンは、小柄で、お世事にも美男とはいえない独特な風貌。爬虫類のような薄眼が、不意に冷酷な光を帯びる。アクのつよい演技で、悪役スターとして知られていた。こういうタイプの俳優はどうにもカテゴライズしにくいので、戦前は「性格俳優」と呼ばれていた。
1893年、ルーマニアのブカレスト生まれ。ユダヤ系移民として、1903年、アメリカに移住。父は弁護士として成功した。
1911~13年、アメリカ演劇アカデミーで演技の勉強をした。つまりは、アメリカの「新劇運動」のまっただなかで育ったと見ていい。「戦後」、俳優としていささか知られてからハリウッドに移った。トーキーの登場で、セリフのしっかりした映画俳優として成功したのも当然だろう。30年代、「暗黒街の顔役」のギャングスター、戦後は「スカ-レット・ストリ-ト」、「キ-ラ-ゴ」の犯罪者といった役で、圧倒的な存在感を見せていた。しかし、「シンシナティ・キッド」を見ると、エドワード・G・ロビンソンは、「性格俳優」などという概念化ではおさまらない俳優だったことかわかる。
ハリウッドきっての教養人で、ピカソ、マティスから現代美術まで、有数の美術コレクターだった。

出演作が多いので、代表作をあげるのはむずかしい。私があげるとすれば、「運命の饗宴」(ジュリアン・デュヴィヴィェ監督)の、落魄した悪徳弁護士。最晩年の「シンシナティ・キッド」の老練なギャンブラー。1973年1月26日に亡くなっている。
彼の33回忌に「シンシナティ・キッド」を見たことになる。あくまで偶然だが。