稽古に時間をかけるのが普通だった。
内村(直也)さんに聞いた話だが、初期のラジオドラマの稽古は一カ月もかけたという。私の初期のラジオドラマでも、稽古が週三回、その日の夕方に本番。ゲキバンはナマ演奏。大先輩の青山 杉作は、まるで指揮者がタクトをふるようなジェストで演出するのだった。エボナイト録音の時代である。時代ものんびりしていたが、わずかな失敗も許されなかっただけに出演者も真剣だったような気がする。
やがてテープ録音になって、顔あわせ、本読み、台本の読みあわせが一度、すぐに録音というペースになった。テープはいくらでもカットできるので、トチっても安心だった。
コンピュータ制御の演出なんて考えられなかった昔の話。