くわばら、くわばら。
これも死語。祖母のアイが使っていた。
弘化4年3月24日、信濃に大地震が起きた。死者、2486人。
さっそく、江戸のはやり唄が、この地震をとり込んで、
わたしゃお前と 信濃の地震 揺れば割り(割れ)出し 死にまする
唾つけなんせ 前は稲荷山 火になる水になる 床の海
あとの話は 寄る(夜)のこと 買わ(皮)なきゃひとつの丹波縞
評判となり 近所はうろたえ あわてて耳ふさぐ
桑原じゃ 桑原じゃ
もともと「くわばら、くわばら」は、雷よけのおまじない。
なにしろ、地震、雷、火事、親父がこわいものの代表だった時代である。今では父親なんぞこわがるやつは誰もいない。