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さて、ここで、日本人、イギリス人、ついでにドイツ人の血液型を比較してみよう。

日本人   イギリス人  ドイツ人
O型     31.0     51.4     31.0
A型     38.2     34.8     44.4
B型     21.2     9.8     12.6
AB型     9.6     3.9     4.6
被調査人数 20,297     3,899   17,982

この比率は、現在、どうかわっているだろうか。

この資料は、西村 真次の論文「日本民族性の特徴」「中央公論」(昭和13年4月号)による。わざわざ探し出して読んだわけではない。
戦前の日本のイギリス観といつたものを調べようと思って、清澤 洌の「英国は戦えるか」という論文を読んだが、おなじ特集に西村 真次が書いていた。

この血液型の表を見ているうちに、きみたちが何を考えるかと思ってとりあげることにした。私がニヤニヤしたのは・・・イギリスの国会が静粛なのに、日本の国会がさわがしいのは、国会議員の教養の差にあるのではなく、体質的な原因がある、といった考えかたにひそんでいる偏りがおかしい。おかしい、というか、バカバカしいというか。
たしかに、現在のイギリスのブレア政権や、内閣をのたれ死にまで追い込もうとしている議会を見ていると、静粛どころではないし、日本とイギリスの国会議員の教養の差などは感じられない。それは別として、日本人が、相手の血液型を聞いて、それでおよその見当をつけ、何かがわかったような気になる。これがおかしなことだと思わないだろうか。
血液型で、たとえば作家、画家のことがわかるくらいだったら、批評なんか成立しなくなる。
日本民族の優秀性を問題にするのはいい。だが、その根拠として血液型が重要視されるような時代には・・・無意識にせよ、差別、劣等感がひそんでいる。