安倍 晋三さんが首相に就任したとき、「美しい日本」というスロ-ガンを強調した。 笑ったね、こいつはいいや。安倍 晋三さんは川端 康成さんを読んだらしい。
日本はみにくいから美しくしようというのか、それなら日本の美しさとは何なのか、と考えた。同時に、美しい日本がある、日本の美しさなどというものはない、と思わずパロディ-レンしたくなったが。
こういうことばを聞くと、日本という国がまるで無価値な見本みたいな気がしてくる。美しいスロ-ガンに対して、いつもはげしい拒否反応をもつひとりなのだ。私は。
われわれを「美しい日本」と見るかどうかは、他国のまなざしによる。どういう女でも、どこかしら自分を美しいと思っているだろう。世間では、みんな好き勝手に、あいつはいい女だとか、ブスと呼んでいるだけのことだ。いい女なのに性格ブスというノもいるし、本人たちは美人と思っているらしいが、ちっともそそられない女もいる。
「美しい日本」といういいかたには、なぜか途方もないうぬぼれが見える。
存在しないものほど美しいものはない。