TVで「恐竜」のドキュメントを見る。夏休みの特別番組らしい。私は恐竜ファンなので、こういう番組は見のがすわけにはいかない。
地球に大隕石が衝突して激烈な地殻変動や、はげしい異常気象が発生したため、巨大生物が絶滅した。
そういう事態ははじめから私などの想像を越えている。だから、化石になってしまった恐竜さんに同情することはない。
恐竜さんの亡骸にご対面するとき、いつも私の心をかすめるのは・・・恐竜さんほど種の絶滅を危惧してはいない私たちも、やがて生きている瞬間々々に、はげしい、異常な、すさまじい変動を目撃することになるだろう。
そういうニヒリズムが、私のどこかにはある。
ところで、恐竜が絶滅したとき、小さなネズミのような哺乳類がなんとか生きのびた。この哺乳類が進化してゆく。
そうか。そうなのか。おれの先祖はネズミであったか。こいつはいいや。
何がいいのかわからない。しかし、こういうことを知って笑えるから、それだけでうれしくなる。
つい最近、京大の再生医科学研が、マウスの皮膚細胞から、胚性乾細胞(ES細胞)に似た性質をもつ「細胞」を作ることに成功した。(アメリカの科学誌「セル」に発表された。06.8.11.)生命医学も、発生工学も、何もわからない私でも、このニュ-スには驚かされた。
そういえば・・・韓国のハン教授は、人間の卵子、受精卵を使ってES細胞を作ったという論文を捏造したが、京大の研究者はこれとはまったく違う発想から、誘導多能性乾細胞(iPS細胞)を作ったらしい。たいへんなことだと思う。この成果は、おそらく人間の未来にかぎりない可能性をあたえるだろう。
たちまち、私のニヒリズムはどこかに消えてしまう。
今年の夏も、幕張メッセでやっている「大恐竜展」を見に行った。