小学校の正門の前に「出雲屋」という文房具屋があった。文房具も売っていたが、実際は駄菓子屋で、子どもたちが日に一度は、何かしら買いに寄るのだった。
この店の息子が同級生だった。たいしてめだたない生徒だった。
この店で売っているものは、けんだま、こま、パッタ(メンコ)、日光写真。これは、小型の印画紙、セロファンに印刷された白黒のタネイタ。これをかさねて半透明のセロファンの袋に入った古い活動写真のフィルムが1枚。
食べ物としては、アンコ玉、ネジリンボウ、のしイカ、細く切った塩コンブ、豆モチ、ニッケ(肉桂)、コンペイトウ、カワリ玉(マ-ブル)、テッポウ玉。
ラムネ、サイダ-。
トシケというあてものがあって、ジグソウパズルのように、ちいさくてまるい紙、表面の紙をはがすとアタリ、ハズレの文字が出てくる。アタリをとったことは1度しかなかった。