山本 音也という人が書いていた。定年後に散歩をはじめたらしい。(「文芸家協会」ニュ-ス/06.2)
「散歩とは名ばかりの徘徊」で、川の鯉にバンをちぎってやったり、ス-バ-でアジを買ってきたり。
「張り合いなしの希望なし」、長生きなんかしない方がいいなあ、という。
公園で遊んでいる幼児を見ていると、若い母親たちに睨みつけられる。
「ほんとに厭な世の中になってきました」。ああ、いやだいやだ。
思わず笑ってしまったが、私だって似たようなものかも知れない。山本 音也という作家の書いたものは読んだことがないのだが、このフレ-ズは気に入ったね。
テレビで、認知症の老人たちが「大人のぬりえ」をやっていた。数字がついていて、指定された通りにぬってゆけば、まともな絵になる。みんな楽しそうにやっていた。
デュヴィヴィエの映画、「旅路の果て」でルイ・ジュヴェがつぶやく。
「老年は醜い」。
昔の映画のセリフをすぐに思い出すなんて、ああ、いやだいやだ。(笑)。