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もう、話題にならない06年の冬季トリノ・オリンピック。日本の成績は不振をきわめた。その中で、女子フィギュアで荒川 静香が金メダルをとったことはうれしかった。男子フリ-は予想通り、ロシアのエヴゲニ-・プルシェンコ。
4年前のソルトレイクで、プルシェンコはアレクセイ・ヤグディンに敗れている。プルシェンコは、ちぇッ、ドジッたなあ、みたいな顔をしていたが、採点でヤグディンが泣き崩れたことを思い出す。
もう、誰もおぼえていないだろうけれど。
2002年のソルトレイクとトリノの違いはどこにあったのか。まったく個人的な意見だが、大きな違いはプレイヤ-のファッションにあったと思う。
ソルトレイクでは、ほとんど例外なく黒が基本色だった。
カナダのエルヴィス・ストイコは、背中にぎらぎらの金のドラゴンの刺繍だったが、黒が基調。アメリカのマイケル・ワイスは、全身、黒。フランスのフレデリック・ダビエは、純白のシャツに黒。日本の本田選手もおなじスタイル。
いかにも田舎の純朴な青年といったティモシ-・ゲ-ブル(当時24歳)は、純白のシャツに黒いヴェスト。ロシアのアレクセイ・ヤグディンもピッチ・ブラック。わずかな例外は、ブルガリアのイヴァン・ディネフが胸いっばいに大きくアフリカの仮面をデザインして、これがダ-ク・グリ-ンだが、全体は黒。アレクサンドル・アブルは、薄い青のシャツだが、やはり基調としては黒と見ていい。時代が暗かったせいなのか。
それにひきかえ、06年の冬季トリノ・オリンピックの男子のスタイルの華麗だったこと。