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蛇くふときけばおそろし雉の声

松尾 芭蕉の句。芭蕉にしてはいい句と思われていない。誰が読んでも、美しいキジがおそろしい声をあげながらヘビを食い殺している、おぞましさを連想する。
類句の「父母のしきりに恋し雉子の声」のほうが、いい句とされている。
アマノジャクな私は、「父母のしきりに恋し雉子の声」をいい句と思わない。
「蛇くふときけばおそろし雉の声」のほうは別の連想が働く。思わずニヤニヤする。
これはいい句だなあ。