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ファッション雑誌の記事。
靴のブランド「イレギュラー・チョイス」の春夏は、女心をくすぐるロリータ的なデザインがいっぱい。分厚い麻のウェッジソールに小花プリントの組み合わせがロマンチックです。
へえ、こういうのがウェッジソールなのか。ナボコフが読んだらよろこぶかも。
スポーツウェアなどに用いる機能性の高い合繊を使ったヌードカラーのドレス。重ね着したようなドットのスカートはドレスと一体になっています。
ふ~ん、ヌードカラーとは恐れ入ったなあ。
それで、思い出したことがある。
二十世紀に入ったばかりのドイツは、外国語がどっと流れ込んだ。洗濯屋(ワイスワレンゲシェフト)はランジェリー、下着屋(ヘムデンゲシェフト)はシュミズリーになつたが、ローブ、ジュポン、コルセットといった名詞は、まったく存在していなかった。
外国語の氾濫とあまりの変化にたまりかねた国語擁護派が、ドイツ国語省を新設せよ、と騒いだが、第一次大戦で、お風呂屋(バーデル)、理髪屋(ハールクロイスラ)、お菓子屋(ツッカーベッカー)、お裁縫(シュナイダー)、宿屋も小料理もドイツ語が消えてしまった。お裁縫はテイラー、宿屋はホテリアー。
日本は・・・もう、ヤバいかも。