2021年3月5日(日)、「近代文学館」から通知。著作権使用の件。
「近代文学大事典」のうち、私の書いた項目について、インターネット上で公開する「複製権」と「公開送信権」の許諾。著作権使用料は無料で。要するに、前に出た「近代文学大事典」のデジタル版を出すことになったから、私の執筆項目を無料で使用させてほしいということ。「近代文学大事典」は1977~78年に、講談社から出版されているので、半世紀近い改訂ということになる。むろん、私において否やはない。
ただし、私が何を書いたのかおぼえていない。別紙に初稿のデータがあって、それを見たとき、少し驚いた。
鮎川 哲也、大河内 常平、樫原一郎、木々 高太郎、邦光 史郎、河野 典生、島田 一男、新章 文子、椿 八郎、戸川 昌子、戸川 幸夫、長沼 弘毅、延原 謙、三好 徹の14名について私が書いている。すべて、ミステリー作家、翻訳者ばかり。
当時、私はすでにミステリーから離れていたが、こうした「文学事典」にミステリーというジャンルを専門とする批評家がいなかったため、私なども動員されたものと推測できる。
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私は、河野 典生、木々 高太郎とは面識があったが、ほかの人々とはまったく交渉がなかった。つまり、この顔ぶれについて何も知らなかった。河野 典生、木々 高太郎の作品や、延原 謙のシャーロック・ホームズ、長沼 弘毅のシャーロック・ホームズ関連のエッセイは読んでいたが、ほかの作家のものはせいぜい一、二作、読んだだけで、まったく関心がなかった。