イザベル・ディノワ-ルというフランスの女性が、顔面移植手術で、まったく別人の顔になった。(06.2.7)人間は自分の顔を他人の顔と変えるかどうかをみずからに問いかけるために生きなければならなくなる。(笑)。
戦後すぐに、ニュロティックな映画がぞくぞくと登場したなかにハンフリ-・ボガ-ト主演の「潜入者」というフィルムがあった。まだ、性転換も心臓移植も考えられなかった頃の映画だが、ギャングが顔を手術、別人になりすましてつぎつぎに犯行を重ねてゆく。原作は、二流のミステリ作家、デヴィッド・グッディス。はるか後年の「フェイス・オフ」を並べると、自分の顔を他人の顔と入れ換えたいという希望は「変身願望」のヴァリエ-ションと見ていい。
映画史的に見れば、ルイ・ジュヴェの出た「ふたつの顔」(ジャン・ドレヴィル監督)から、ロベルト・ベニ-ニの「ジョニ-の事情」などの「とりかえばや」喜劇、Copy-conformeテ-マにつながってくる。
もう一つ。凍結して保存した男性の精子を使って、その男性の死後に体外受精で出産した女性がいる。そうして生まれた子どもを、生前の男性の子として認知を求めた訴訟事件は、東京高裁が棄却した。女性側は、これを不服として、最高裁にもち込んだ。(06.2.16)
こういうスト-リ-は、いずれ映画やドラマのテ-マになりそうだなあ。
できれば昔のパラマウントかRKOあたりのかるいコメディ-で。間違っても、「マイノリティ-・リポ-ト」や「宇宙戦争」のスティ-ヴン・スピルバ-グには作らせないでほしいな。(笑)。