ブログを書く気にならない。何か書いても、どうもおもしろくない。
何を書いてもおもしろくないときは、どうすればいいのか。
対症療法は、いくつもある。
おいしそうなことを書けばいい。あとになって、読み返す楽しみが生まれるかも知れないから。
旅行者だけでなく、在日外国人に簡単なアンケ-ト形式で、気に入った日本食のベスト・テンを選んでもらうテレビの企画を見た。そのビリング、というか、ベスト・トウェンティ-を記述しておこう。逆順で。
(20)ししゃも――これからの季節、酒の肴に最高だねえ。私は、大学の講義のあと、親友の小川 茂久といっしょに、駿河台下の居酒屋、「弓月」で、酒を酌み交わすのが習慣だった。お互いに何を語り合うわけでもない。親しい友人と酒を飲む。これほど楽しいことはなかった。小川は、いつも湯豆腐、私はシシャモときまっていた。
(19)舞茸――マイタケにヒジキ、エダマメ、鳥肉のまぜゴハン。(好みによっては、エリンギも)これを、オニギリにする。味のベ-スは醤油。けっこうおいしい。「ハツタケの香に降り出すこさめかな」(智月)
(18) おはぎ――オハギはどうして「おはぎ」なのだろうか。もともと萩のもちだが、接頭語をつけたのは、日本人のこころばえに違いない。多分。ボタモチが、もともとの牡丹餅の語感を失ったのと何か関係があるのか。私は、オハギが好きなのだが。
(17)自然薯・とろろ――ヤマノイモ、ナガイモ、ツクネイモ。麦とろで有名な東海道、丸子宿のトロロを食べたことがあった。その後、鈴鹿のイセイモのトロロを食べて、鈴鹿のトロロのほうが、ずっとおいしい気がした。
(16)サバ――サバは、おいしいサカナだが、カツオの生き腐れとおなじで、腐敗が早い。前の日に冷凍して、翌朝、新聞紙、ビニ-ルにくるんで、登山する。山頂で、これを焼いて食べるのだが、とてもおいしい。大根の切れっぱしか、ダイコンオロシももって行く。醤油はビニ-ルのフィルム缶に入れて。こんなコトも昭和の登山スタイルになってしまったなあ。
(15) カボチャの煮もの――あまり好きではない。戦争が終わって、ひどい食料難がやってきた。田舎に買い出しに行ったが米が買えずに、カボチャを二個売ってもらった。そのときの苦い思い出がのこっている。
(14)蓮根――私の大好きなテンプラは、レンコン。あるホテルのテンプラ屋に通いつめたことがある。私の顔を見ると、すぐにレンコンを出してくれるようになった。そのホテルのバ-に行くと、バ-テンダ-はきまってフロ-ズン・ダイキリを出してくれるように。
(13) 鮭の塩焼き――今では、「お茶漬のもと」といった インスタント食材があるけれど、シャケの塩焼きはけっこう奥が深い。石狩川の河口の近くで、お婆さんが焼いてくれたシャケのおいしかったこと。
(12)たきこみごはん――野菜でもサカナや肉、何でも炊き込みごはんは好き。ダイコンメシは、うれしくないけれど。
(11)干し柿――柿の皮を剥き、ワラの紐に通して、軒(のき)に下げる。毎日、寒風にさらされているうちに、白い粉がふきはじめる。すっかり干し上がる前にもぎとって食べてみる。あまくなっている。母に叱られても、干し柿の盗み食いはやめられなかった。