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山口 路子は書いている。

私はかつて『ルイ・ジュヴェとその時代』を噛みしめるようにして読んだ。

もうそこには、「知」がぎっしりつまっていて、死ぬほど圧倒されたけれど、私にとってなにより魅力的だったのは、書いた人の、中田 耕治のジュヴェに対する想いが、もう、ものすごく強かったこと、それがどのぺ-ジにも溢れていたこ
と。

圧倒的な知識にささえられた圧倒的な情熱。

 

ありがとう、路子さん。

きみが、ブログで私の『ルイ・ジュヴェ』を褒めてくれたとき、小笠原 豊樹(岩田宏)が亡くなった。ハンタ-・ディヴィスの『ビ-トルズ』を共訳しただけのつながりだったが、常盤 新平が亡くなったときとおなじように、追悼の思いが深かった。
思い出したので、書きとめておくが――女優のアニタ・エクバ-グ、ルイ-ズ・レイナ-も、小笠原 豊樹の逝去の前後になくなっている。
今の私にとっては、残念としかいいようがないのだが――澁澤龍彦、磯田光一、村松剛たち。尊敬する友人たちが、つぎつぎに白玉楼中のひととなった。そして、若い友人、吉沢 正英君(当時、「日経」論説委員)が亡くなったことは、私に大きな悲しみをもたらした。

そして、いま、私は新しい「仕事」をこのブログで発表する決心をしている。

11月5日、私をささえてくれた人びと、少数だが、私の「現在」に期待してくれている人びとに読んでほしいと思っている。