1692 私のキャサリン・マクフィー論【6】

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      【6】

「キューテイ・バニー」から5年後。
キャサリンは、スティーヴン・スピルバーグ・プロデュースのTVミュージカル、『SMASH』に主演する。
TVミュージカル、『SMASH』については、別に書いたことがあるので、あらためてくり返さないが、『ヒステリア』批評のために、最小限、言及しておく。

2013年、スティーヴン・スピルバーグ・プロデュース/総指揮のTVドラマ、『SMASH』は、視聴者が毎回1千万人を越えたという。ハリウッドのアイコンだった女優、「マリリン・モンロー」の生涯をミュージカル化して、ブロードウェイで上演しようという企画。このミュージカルに、彗星のように登場した女優が、キャサリン・マクフィーだった。日本でもこのTVミュージカルは放送されたが、ほとんど反響はなかった。

 

このミュージカル、「ボムシェル」(「爆弾」という意味)の主役、「マリリン」をめぐって、ふたりの新人女優、「カレン」と「アイヴィー」が熾烈な競争をくりひろげる。この舞台化をめぐって、劇作家、作曲家、プロデューサー、演出家、出演者を巻き込んでのさまざまな葛藤が描かれる。(原案は、テレサ・リ-ベック。)

うだつのあがらないコ-ラスガ-ル、「アイヴィー」を演じた女優、ミーガン・ヒルティーは、実際にはブロードウェイ・ミュージカル、『ウィックド』に主演したほどの舞台女優。これに対して、キャサリン・マクフィーはブロードウェイをめざしている無名の新人女優、「カレン」を演じた。

アメリカでは「SMASH」(「シーズン1」)が成功した。 このため翌年、「セカンド・シーズン」が登場した。ただし、この「シーズン2」は、ストーリー・ランナーの交代、プロデューサーがあらたに起用されたこともあって、最初から視聴率が伸び悩んだ。観客の共感を呼ばないストーリー展開、さらにキャサリンの身辺をめぐるスキャンダル報道などの原因で、視聴率は最後まで回復できなかった。

「SMASH」「シーズン1」に出たばかりのキャサリン・マクフィーは――「このドラマへの出演は私にとって大きな飛躍になる」と語った。そして成功した。
しかし、「シーズン2」のキャサリンは、心ないジャ-ナリズムに スキャンダルを書き立てられて、ひどく傷ついたのだった。マリリンのように。

「SMASH」「シーズン2」のフロップは、キャサリンの責任ではない。ただ、「SMASH」の成功と失敗は、それ以後のキャサリンに大きな影響をおよぼしたのではないか。

そして、2015年、キャサリン・マクフィーの新作「ヒステリア」が登場する。images-1