1690 私のキャサリン・マクフィー論【4】

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【4】

シンガ-としてのキャサリンについてもうすこし見ておこう。

2007年1月、RCAからデビュー。ファースト・シングル、「オーヴァー・イット」は、ポップス部門でトップ30に入った。これは、2010年12月までに、38万1千枚というヒットになった。
つぎの「ハッド・イット・オール」は、ビル・ボード22位。2011年1月に4万5千枚。

2010年10月12日、「クリスマス・イズ・ザ・タイム・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー」を出したが、これは、ビル・ボード、トップ・ホリデイ・アルバムになった。
2011年1月に、ビル・ボード14位。2万3千枚。

私は、この時期のキャサリンをどう見ていたのか。

マライア・キャリー、ブリトニ-・スピア-ズ、アヴリル・ラヴィンといったシンガーなどと比較するわけにはいかない。さりとて、ほぼ同時期に登場したジョ-ダン・ヒル、メジャ、シャンタ-ル・クレヴィアザック程度のレベルのシンガ-ではない。はるかにぬきんでた才能だった。
こういう私の見方を知ってほしいので(少し無理な比較になるが)しばらく前の中国ポップスでいえば――王 菲(フェイ・ウォン)や艾 敬(アイ・ジン)クラスではなく、このふたりに先んじて登場した陳 明(チェン・ミン)、あるいはふたりにつづく那英(ナ-・イン)のような存在とでもいおうか。
ビンナン語系のシンガ-なら、潘 越雲、陳 淑樺などに対して一歩もゆずらないだろう。キャサリンはそれほどのア-ティストと見ていい。

私は「オーヴァー・イット」より先の「ラヴ・ストーリー」をふくむアルバム、「キャサリン・マクフィー」や第二作の「アンブロークン」を聞いた。そして確信したのだった。
私の見るかぎり――キャサリン・マクフィーは、おびただしい有象無象のポップ・シンガ-のなかで、自分の achievement に対する要求が高く、かつ、自分の仕事に対する recognition「個人的な承認」の要求も高いひとり。
しかも、いつも自分の感情や情緒にまっこうから立ち向かう意欲をもつ。
それが、キャサリンなのだ。