「戦後」といっても、第一次大戦の「戦後」を調べたことがある。
フランスは、戦死・戦病死が131万人。16歳から45歳の男子、795万人の16.5パーセント。
工業地帯が戦場になったため生産は激減した。農業も、大半の農民が召集されて、ゆたかな農地が荒廃した。穀物の生産は、戦前の40パーセント。
意外なことに、ロシア革命の影響も大きく、ロシアの公債や、利権が消えてしまった。
1914年(戦争開始)に3020億フランあった国家資産が、1918年(戦争終結)には2270億フランに落ちた。じつに四分の一が失われたのである。
膨大な軍事公債がはげしいインフレーションを惹き起こした。物価は戦争開始の年に比較して、3.5倍。物価指数は、1914年を100として、1918年は360。
これが第二次大戦の「戦後」となると、はるかに悲惨なことになる。
『ルイ・ジュヴェ』を書いた時期、私はまるで知らなかった経済から金融まで勉強したのだった。
→『ルイ・ジュヴェとその時代』(第六部/第一章)