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ディノニクス(Deinonychosaurus)のなかでも、トロエドンのファンである。ピッツバーグの博物館で見た。
日本で見られる「恐竜展」では、まず大型種に圧倒される。メラノロサウルス、アンキサウルスといった草食恐竜。こういうのは凄い。なんといっても姿がいい。
ステゴザウルス、トゥジャンゴサウルスなど、背中に鎧のようなプレート(スパイク)を背負った連中はどうも好きになれない。見るからに凶暴そうだが、不細工で、いかにも頭がわるそうだから。
小型恐竜のドロマエザウルスは眼が正面を向いて、ものを立体的に見ることができたらしい。トロエドンはもう少し小型。走るのも早かったらしい。長い、しなやかなシッポのせいで、すばやく方向転換できた。トロエドンは、現在知られているほかの恐竜たちより、はしっこくて頭もよかった。とてもかわいい。
ほかにも、剣竜とか、イグアノドン、トリケラトプス、その他いろいろ並んでいるわけだが、トロエドンはたいてい「恐竜展」の隅っこにひかえている。誰もまともに見やしない。そういうひかえめな扱いをうけているところがいい。