政府の防災会議は、茨城県南部、立川断層ラインほか、18系統のマグニチュード 7 クラスの巨大地震の発生を想定している。
東京湾北部を震源とするマグニチュード 7.3 の地震が起きた場合の被害想定に、私が読むものは、無意識にせよ、何らかの作為、ないしは、錯誤である。
あるエコノミストが指摘している。
日本の政治・経済は全て同じ筋書きの「4幕劇」で語られる。4幕とは
(1)最初は「何の問題もない」と事態を過少評価する。
(2)問題の所在をしぶしぶ認めるが、可能な限り矮小化する。
(3)問題先送りで傷口をひろげる。
(4)進退窮まって全面降伏する。
小島 祥一著 「なぜ日本の政治経済は混迷するのか」(岩波書店)
私たちは、太平洋戦争の敗戦の局面から、つい最近の福島原発事故、再稼働、その他、おびただしい事例を知っている。
つまり、この多幕劇では、登場人物、劇の時代背景は変わっても、必ずおなじ事をくり返すという。
巨大地震の発生による帰宅困難者が、517万人と推定されている。
地震にともなって大火が発生すれば、かならずや阿鼻叫喚の地獄が展開する。
にもかかわらず、
最大で、 死者 約1万1000人
という推定に間違いはないか。ここには、「ほとんど、何の問題もないとする事態の過少評価」があるのではないか。