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神田の古書店で、「宮城県治一斑」という小冊子を見つけた。100円。宮城県総務部統計課・編。昭和15年版。いまどきこんな冊子を読む人はないだろう。
私が仙台市荒町尋常小学校の小学生だった頃、宮城県の学齢児童数は26万9058人。就学のパーセンテージは99.77。
1939年の児童数は24万5299人。性別で見ると、男の子が12万5962人。女の子が11万9337人。1学級あたり、尋常科の生徒数は平均55人。高等小学校の生徒数は51人。私の学年では、男子クラスが三つ、女子のクラスがふたつ。
尋常科卒で、丁稚奉公にやられたり、少年工になるものも多かった。高等小学校を出てすぐに少年航空兵になった二人の同級生が戦死している。まだ15歳か16歳で。
こんなつまらない小冊子にも、愚劣な戦争にかりたてられて行った小国民の姿があぶり出しのように見えてくる。