ベラスケスの「ラス・メニーナス」を見た。圧倒的な傑作だった。すぐ隣りの展示室に、ジョルジョーネ。これは凄い。さらに奥にゴヤの「マハ」が並んでいる。それほど大きな絵ではないが、こう、たてつづけに傑作ばかり見せつけられると、眼が灼熱してしまう。
イタリア絵画の展示室に階段がつづいている。
ヘミングウェイは、いつもここのグィド・レニの小品の前にたって、あかず眺めていたという。美少女が並んでいる。一枚は農民の娘。もう一枚は小間使いか子守女らしい娘。ヘミングウェイは、どっちの少女がお気に入りだったのか。
「マハ」の前にはいつも人だかりがしているので、誰も見ないらしいグィド・レニを見に行く。彼女たちの美しさは、どんな王女、どんな貴婦人ももたない輝きにみちあふれている。