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あい変わらず、ろくでもないニューズばかりだが、私がうれしくなったニューズがひとつ見つかった。
私たち現代の人間とは別の種類の人類に、ネアンデルタール人がいる。そのネアンデルタール人が、私たちの初期の人間と交雑していた。
ドイツの「マックス・プランク進化人類学研究所」のスパンテ・ベーポ教授のグループがつきとめた、という。

私は、進化人類学については何も知らない。ただ、今の人間の、遠い、遠い、遠い先祖の誰かが、ネアンデルタール人の男か女と、セックスして、相手を妊娠させたか、こっちが妊娠したか、とにかくムニャムニャして、現在の人間になっている、ということになる。私は、このニューズに感動した。

アフリカ以外の地域の現代人のゲノム(全遺伝情報)のうち、1~4パーセントが、ネアンデルタール人に由来する、とか。
ひょっとして、おれッチも、1パーセントぐらいはネアンデルタール人の血がまざっているかも。いや、まてよ、ひょっとして……

ネアンデルタール人とは何か。
40万年から30万年も昔に、現生人類の共通の祖先から枝別れした人類。3万年前に絶滅した。それまでは、ヨーロッパや、西アジアにぶんぷしていた。
特徴として、顔の彫りが深く、頑丈な体格。
日照の少ない高緯度地方に生息していたため、肌が白く、神の色も薄かったらしい。

なんでえ、これじゃ、可能性としては1パーセントもあぶねぇじゃあねえか。

「マックス・プランク進化人類学研究所」のグループは、3万8千年前に生きていたネアンデルタール人の女性3人の化石から、4年がかりで、ゲノム配列の60パーセントをつきとめた。
現生人類の祖先が、故郷のアフリカを出て間もない10万年から5万年前に、中東などの地域で、先住民のネアンデルタール人の異性に出会った。
その後、現生人類が世界じゅうに進出したため、アフリカ以外の各地で、ネアンデルタール人の遺伝子が検出された、と研究グループは推定している。
これは科学雑誌「サイエンス」に発表される、とか。

ゾクゾクするほど、うれしくなってきたね。

私がネアンデルタール人の遺伝子をもっている可能性は、1パーセントもないかも知れないが、何万年も昔の祖先が、異性に出会ったことぐらいは想像できる。
やっぱり「ボーイ・ミーツ・ガール」だろうなあ。
阿部 知二のもっとも初期の作品に、「戀するアフリカ」という短編があるけれど、私も「恋するネアンデルタール女」でも書けばよかったなあ。(笑)