1931年、映画女優、ルイーズ・ブルックスが映画に出なくなった。彼女はそのまま忘れ去られた。(実際には、その後も映画には出ていたのだが。)
彼女のことを忘れない人もいた。
大岡 昇平。
彼はルイーズ・ブルックスについて、いくつも重要なエッセイを書きつづけた。
その後、フランスで、ルイーズ・ブルックス再評価の機運が起こり、老齢に達していたルイーズ自身も自分の回想を発表して、あらためて彼女がどんなにすばらしい女優だったか、私たちに思い出させた。そして、現在、筒井 康隆の「カナリアが殺されるまで」、四方田 犬彦の「パンドラ・コムプレックス」のように、世界最高のルイーズ・ブルックス論などがある。
「世界猟奇全集」というシリーズものの1冊から、ゆくりなくも、ルイーズ・ブルックスのことを連想して・・・私はしばらく幸福だった。
なぜ、ルイーズ・ブルックスを思い出したか、これは別のこと。