日本のポップス。歌詞に、ベイビーということばが使われているだけで、私はそのシンガーを軽蔑する。
たしかに、英語圏では、愛情表現の一つとして、「ベイビー」が使われる。子どものとき、母親がそういう呼びかたをしていたから、愛する対象を「ベイビー」と呼ぶ。
フランス映画「バルニーのちょっとした心配事」(ブルーノ・シッシュ監督/2000年)のなかで、さえない中年男の主人公「バルニー」(ファブリス・ルキーニ)とベッドをともにした若い娘(ナタリー・バイ)が、英語で「愛しているわ、ベイビー」という。
「どうして、ベイビーなんていうんだ?」
「だって、あなた、子どもなんですもの」
フランスの男が「ベイビー」なんていわれたら、頭にくるワな。
ところが、日本のポップス・・・・赤ンぼうのとき、母親からベイビーと呼ばれたこともない(だろうと思う)日本のタレント歌手が、歌のなかで「ベイビー」などといいはじめると、からだじゅう、かゆくなってくる。
うざい、死ねェ。そう叫びたくなる。
「こんなやつとおなじ空気を吸っているだけでも死ぬーッ」。