1872年。福沢 諭吉が『学問のすすめ』を書いている。
福沢 諭吉とは無関係だが、翌年(1873年)、アレクサンドル・デュマは『クロードの妻』の序で、
「気をつけるがいい、きみは今、困難な時代を通過しつつあるのだ……」
と警告している。フランス人は、昔日の過失の代償として高いツケを払わされることになった、といって。
「今は、機知や、放縦や、皮肉、懐疑、戯れに終始している時代ではない。こうしたすべては、少なくとも、いましばらくは無用のものである。神、自然、労働、愛、子どもたち、これらこそ、真剣な、しかも重大な問題であって、しかも、いままさに、きみの目の前に厳として立っているのだ。こうしたすべてを、みごとに生かすか、しからずんば、きみにとっては死があるばかりなのだ。」
アレクサンドル・デュマは大作家だから、こういう高飛車ないいかたをしても、カッコいい。サマになっている。私などに真似はできない。
ところで、南極海で、日本の調査捕鯨船めがけて、アメリカの環境保護団体「シー・シェパード」から、薬物入りのビンが投げ込まれた。
中国の国防費が、前年実績比、17.6パーセント増、4177億6900万元(約6兆744億円)で、この20年連続で2ケタの伸びを見せている。
ロシアでは、プーチンにかわってメドベージェフが(得票率、70.28パーセントで)大統領になったが、プーチンが首相に就任する。
こうなると、「気をつけるがいい、きみは今、困難な時代を通過しつつあるのだ……」程度のことは私だっていえるのである。