スタンダールはいう。
自分の生きている世紀から完全に抜け出して、ルイ十四世の世紀の偉大な人たちの眼の前にいると考えること。いつも20世紀のために仕事をすること。
ルイ十四世の世紀の偉大な人たちが、ここでは誰をさすにしても、作家としてのスタンダールは、いつもモリエールや、コルネイユ、ラシーヌたちを意識していた。
いつも20世紀のために仕事をしてきたからこそ、19世紀の最高の作家と見られている。
私はこういうスタンダールを尊敬してきた。
かぎりなく無名に近い作家でも(心のどこかでは)自分の生きている世紀から完全に抜け出して、19世紀の偉大な人たちの眼の前にいると考えてきたはずである。
きみたちもこれからはいつも22世紀のために仕事をすること。
(私の好きなことば)