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 神奈川県が、高校教育で日本史を教えることになった。
 学習指導要領では、「地理歴史」の教科で、世界史は必修、日本史と地理は選択科目になっている。
 神奈川県の計画では、世界史のほかに、
   1)日本史を履修する
   2)日本史と地理/歴史の2科目を勉強する
 新科目は、それぞれ1単位か2単位。年間、35コマ。

 私は、この計画に賛成である。理由は多数あるが、とりあえず、日本において歴史教育は必要である。

 神奈川県の県立高校の生徒の約3割が、日本史をまったく学習せずに卒業する。だから、日本がアメリカと戦争したことさえ知らない若者がいる。

 神奈川県の高教組の委員長がこれに反対している。反対する理由に、この必修化が、かつての皇国教育、軍国教育への逆行をもたらす可能性があるという。しかし、それはあり得ないたろう。日教組的な教育者が、日本史の必修がただちに皇国教育、軍国教育に直結すると考えるのはあやまりである。

 歴史はイデオロギーによって変化するものではない。戦時中の皇国教育、軍国教育が、共産主義国家の独善的な一党の支配と同根だったことは、もう誰もが知っていることだから。
 高校生の約3割が、国史をまったくしらずに卒業するような国は、けっして敬意をもって見られることはない。