最近は、知識人ということばもあまりきかなくなった。
私自身は、知識人ということばをほとんど使ったことがない。『ルイ・ジュヴェ』のなかで、ジッドに関して、知識人ということばを使った程度。
ラテン語で Homines Intelligentiae.英語なら、intellectual だが、私たちが使っていたことばは、ロシア語のインテリゲンツィアからきたらしい。
ラテン語の Homines Intelligentiae が、教養人に違いないが、14世紀、ベルギー、ブリュッセルに「ホモ・インテリゲンティアェ」という集まりが生まれる。
中心になったのは修道女のブレマルダンという自由心霊派の女性だった。彼女の思想は、どういう行動をしても、罪とは見なされない恩寵の状態に達することができる、というものだった。そういう恩寵を受けてこそ、人は霊において自由であり、もはや人間のすべての法はおよばない、という。
彼女の教えの核心に、天使の愛という、それまでになかった愛のかたち、というか、徹底した自由恋愛があった。
最近の私は、宗教とエロスの問題を考えている。むずかしい。