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ドストエフスキー作品で、いちばん好きなキャラクターは誰だろう。

 日頃の私はこういうことを考えない。
 すぐに思い浮かぶのは、アリヨーシャ、ムイシキン公爵だが、ほんとうに好きなのかと訊かれると自分でもあやしくなる。
 ソーニャは好きなひとり。ただし、そういう私にはいやらしい願望が隠れているような気がする。
 『未成年』のリディア・アフマーコワ。
 キャラクターとして、いちばん関心があるのは、キリーロフ。
 『カラマーゾフの兄弟』に出てくるコーリャという少年。

 私はドストエフスキーについて、何ひとつ書いたことがない。ただ、荒 正人編の『ドストエフスキー読本』に、短い短いエッセイを書いたことがある程度。
 ドストエフスキーの墓に詣でた。ヤスナヤ・ポリアナのトルストイ邸の寝室に、トルストイが家出する直前まで読みふけっていた『カラマーゾフの兄弟』のページが開かれたまま残されていたことに、つよいショックを受けた。
 私はドストエフスキーに対する尊敬をけっして忘れない。