現在の私たちの誰しもが、あらぬ不安を抱いたり、いやな予感が頭をかすめているとしても自然かも知れない。
今週だけにかぎっても、「道路や建物の被害は費用さえかければ修復できるが『心の傷』はそうはいかない。(地震の)復興は一人ひとりの声に耳を傾け、『思い』を受けとめたものであってほしい」。これが、新潟地震から1カ月の状況なのである。
しかし、日本は元気です。
いわゆるホワイトカラー向きのビジネス書、修養書は、がんばっている。
55万部のベタ・セラー、『なぜ生きる』を読んだ12歳の女子中学生は、「この本は私に生きる力、勇気をくれました」と書いている。
これもベタ・セラーらしい『思いやりの心』には――
日本人は、昔から「思いやり」を大切にしてきました」というキャッチコピーがついている。『思いやりの心』には、優しさ、謙虚さ、美しさがあふれている。
8万部のベタ・セラーは『今日から始める「やる気」勉強法』。
10万部突破の『身につけよう! 江戸しぐさ』は、美しい心、美しい習慣が人を幸せにするという本。おなじ著者の『子どもが育つ 江戸しぐさ』は、日本人の心と体にしみ込んで生かされてきた、すばらしい知恵の数々がいっぱい。
スポーツ、体育系なら、アントニオ猪木の『元気があれば何でもできる!』や、三浦 雄一郎の『人生はいつも「今から」』を読めばいい。
こういう時期に、『社内の「知的確信犯」を探し出せ』(真喜志 順子訳)を読むのは、はっきりした対抗療法になるだろう。
なにしろ、キミの隣りにいる人物がじつは、サイコパスかもしれないのだから。