ときどき、おもしろいことばを見つける。そのときはおぼえているのだが、じきに忘れてしまう。
現代女性のオーガズム発見は(現在の避妊とむすびついて)、女が男性支配という棺桶を爪でバリバリ突き破ってやったことなんですよ。
エヴァ・フィジズ。1972年。
この女性については知らない。ドイツ系イギリス人の作家という。エレイン・モーガンの本に出ていることば。
ふ-ん。女性がオーガズムを「発見」したのはこの時期からだったのか。
そのとき、すでに「男性支配という棺桶」the coffin of male dominance があって、女たちが爪を立てていたことは知っていたのだが。
この短いことばから、じつにいろいろなことを考える。むろん、まずは女性のオーガズム。(これは別の機会に書く。)
1972年。沖縄が本土に復帰した。
この年、川端 康成が亡くなった。私は何も書かなかった。浅間山荘事件。私は何を考えたか。
男性支配。ウーマン・リブ。あの時代に輝いていた「アマゾン」たち。
この場合、「棺桶」はどういう形だったのか。
女の爪。爪のかたち、あるいは美しさ。闘争のトゥールとしての爪。まだ、ネイル・アートは流行していなかったことはたしかだが、もしネイル・アートがあったら。サイケデリック・デザインだったろうか。
有吉 佐和子の「恍惚の人」、北 杜夫の「酔どれ船」、山崎 正和之「鴎外 闘う家長」。私は何をしていたか。
考えることはいくらでも出てくる。
忘れないうちに書きとめておこう。