西鶴の『好色一代女』に、大名の側室にあげられる女の条件として、
十五より十八まで 当世顔はすこし丸く 色は薄花桜にして 眼は細きを好まず 眉あつく 鼻の間はせはしからず 次第高になりて 口ちひさく 歯並白く 耳は根まで見え透き 首筋立ちのびて をくれ毛なしの後髪 手の指たよはく 長みあって爪うすく 足は八文三分に定め 親指反って 胴間のつねの人より長く 腰しまりて物ごし衣裳つきよく 姿に位そなはり 心立おとなしく ほくろひとつもなき 云々
とある。元禄の美女の基準とはこういうものだったのだろう。
現在でも、基本的には美女の条件はさほど変わってはいない。大名の側室という身分がなくなったが、今だって誰かの側室になりたい女性は、いくらでもいるだろう。
ただし、最近の小説には、心に残る美女はあまりいなくなっている。作家も美女に感心がなくなったのか。西鶴ほどの才能がいなくなったというべきか。