ある女子高校の話。
先生は生徒に対して呼び捨てしない。お互いに、おしとやかに会話をなさる。教室で先生が質問する。「XXさん、質問にお答えください」。生徒が答えると、「ありがとうございました」と先生がおっしゃる。
授業が終わると、級長さんの号令で、「ありがとうございました」と御礼を申しあげる。先生も「ありがとうございました」とお答え遊ばされる。
お嬢さま学校という。
学校にはそれぞれ校風がある。私はこうした教育を否定しない。むしろ美風として賞賛してもいい。ただ、こういう教育の、眼に見えないうしろ側に、鼻持ちならない偽善性、いやらしいお上品ぶり、ひたすら表面だけを飾るヴィクトリア時代ふうのいやらしさを感じる。
私がはげしく嫌悪するのはこういうプジャニーム(カマトト)ぶりである。