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最近、学校保健の統計で、2006年度、子どもたちの視力の低下が続いて、1.0未満の子どもは、小学生で30%近く、中学生では二人に一人に達しているという。
この調査は、全国の幼稚園から高校生徒まで、約336万人を対象にしたもの。

幼稚園児でも視力が、1.0未満の子どもは24%、高校生では58.7%というから、ゆゆしき一大事。
テレビゲ-ムやパソコンの影響によるという。

私は小学校5年のときから近視になった。
窓際の席だった。ある日、担任の壺 省吾先生が黒板に何か書いて私に質問した。私は答えられなかった。黒板の字が読めなかったから。先生が意外そうな顔をしたのをおぼえている。まさか、こんなやさしい問題がわからないとは思っていなかったらしい。

その晩、母にメガネを買ってもらった。クラスでメガネをかけたのは私がいちばん最初だった。その後、メガネをかけた生徒はこくわずか、せいぜい二人ぐらいだったと思う。
メガネをかけると世界が一変した。それまで、ぼんやりとしか見えなかった風景が新鮮に見えた。
メガネをかけてからも、走りまわっていたし、仲間と取っ組みあいをしていたので、メガネが割れたり、ツルが飛んでしまったり、毎週のようにメガネ屋に通った。
母があきれて、しまいにはメガネのツルのかわりに黒い糸をくくりつけて、耳にかけさせられた。さすがにカッコ悪いと思った。

視力はどんどん低下して強度の近視になった。