「新しい小説の新しさを評価する」ことから別のことを考える。
80年代になると、キ-ス・ヘリングもどきみたいな流行に乗った絵を描いていた連中がたくさんいた。
――バスキアもどきも多かったよね。やっぱりあれは誰でも描けると思うんだろうな。
あの連中は、今、どうしているんだろう?
――キ-ス・ヘリングはけっこう記号的なおもしろさだけど、バスキアはやつぱりペインティングだから、当時の美大生とかは「これだ~!!」みたいになったんだろうね。
でも、その連中は、もうどこにもいない。
――やっぱり追って消えたんだよ。それふうに描けるようになった時はもう次だった。で、そこでやめちゃうんじゃない?
大竹 伸朗と永江 朗の対談。(「ユリイカ」06,11月号」)