1879

「モンテーニュ通りのカフェ」(ダニエル・トンプソン監督)を見た。
ひょっとして、「日経」の記者だった吉沢 正英といっしょに見た映画だったかも知れない。

先輩の宮 林太郎さんはこの映画を見なかったと思う。
パリが好きで、私を相手にパリのことを倦むことなく語りつづけた人だった。そういう人にこそ、この映画を見せたかった。

エッフェル塔、ジョルジュ・サンク、シャンゼリゼ。私は、オテル・リッツからヘミングウェイ、アヴェニュ・モンテーニュからジュヴェの「シャイヨの狂女」を想像しながら見た。
この映画に出ている俳優、女優たちを私はまったく知らないのだが、ヒロインの「ジェシカ」をやったセシール・ド・フランスがいい。それに、女優の「カトリーヌ」のヴァレリー・ルメルシェが、映画のなかで舞台劇のフェイドーをやっている。これで、セザール賞の助演女優賞。アメリカの映画監督、シドニー・ポラック、ノン・クレジットで、ミシェル・ピコリが出ている。ついでながら、ジュリエット・グレコが、再婚した相手。

この映画に出ているクロード・ブラッスールは、父がピエール・ブラッスール、母がオデット・ジョワイユー。これだけでも、私にはうれしい映画。

テレビで美少女を見た。トラウデン直美という日独ハーフ。京都生まれ、京都育ち。引っ込み思案の美少女が、13歳からグラヴィア・モデル。父は京都大でドイツ語、文学を教えている。14歳、同志社国際高校に入学。引っ込み思案で英語がしゃべれなかったのがコンプレックス。慶応、法科に入学。「CanCan」の専属モデル。ファッション・モデルになる。スキニー・パンツが苦手。報道系の番組のキャスターとして登場する。ネットで買ったバッグ。消せるボールペン1本。イヴ・サン・ローランの口紅1本。リップ・クリーム。クロエの財布。コストコのカード。所持金、3万円。質実な性格。「くろ谷さん」の絶景。花柄の古着。キラキラしているようで、しっとりした感じ。値段も半額。食レポ。
「天下一品」のブタ重。そして、マッシュポテトをおかずにして白飯にまぜるドイツふうの和食。
こういう番組はあまり見ないのだが、この少女のキャラクターがおもしろい。
午後、これも美少女、アリーナ・ザギトワのドキュメント。ザギトワは、19年12月、突然、選手活動を休止すると発表した。私も残念に思ったひとり。当時、15歳のアンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワ、16歳のアリョーナ・コストルナヤが登場して、ザギトワはふるわなかった。日本では、浅田 真央引退のあと、やはり17歳の紀平 梨花が登場している。
ザギトワは、かるがると4回転をこなす年下の選手に敗れて、12月のグランプリでは最下位に沈んだ。平昌の冬季オリンビックで優勝したザギトワとしては、屈辱的な敗北だったに違いない。

久しぶりにテレビで見るザギトワは美少女だった。内面の苦悩は見せないが、自分でも明るくふるまっている。それが、かえっていたいたしかった。メドベージェワのようにカナダに移ってスケートをつづける選手もいるが、若いだけに、輝かしい未来が待っているだろう。人生はスケートだけではない。といより、スケートから始まった人生と思えばいい。