1869

(つづき)

こんな雑文にも、私なりの工夫はある。

読者の大多数は、私のあげた「世界の名作」を、おそらく読んでいない。私のエッセイを読んで関心をもった人もおそらくいないだろう。
ただし、そういう人でも、「世界の名作」が映画化されれば、映画を見て、原作を読んだ気になるか知れない。少なくとも、その作品のプロットぐらいは記憶にとどめるかもしれない。むろん、そんな可能性も低いだろうけれど。

こういう雑文を書く目的は、じつはそういう読者がひとりでも多くなることへの期待がこめられている。

1968年。アメリカでは、共和党のリチャード・ニクソンが、僅差で、民主党のリベラル派の候補を破って、大統領になる。ヴェトナム戦争は泥沼化していた。
ミュージカル、「ヘアー」の時代。ウディ・アレンの「ボギー 俺も男だ」。そして、シャロン・テートの惨殺事件。

吹けば飛ぶような雑文家業でも、そうした心意気がなかったら続けられるものではない。これは、ブログを書くときもおなじ。

さて、長ったらしいブログもこれでおしまい。