1823

何かを見ればいつも何かを思い出す。
そのできごと、人々とともに私自身に刻まれた歳月を思い起こすのは、それだけ私が老いたということでもある。しごく平凡な感慨にすぎないのだが、折りうし心にうかぶよしなしごとを書き留めてみよう。

その私は、毎日、ガクッガクッと人生の階段を下りるような感じで老いてゆく。老いはじわりじわりとやってくるのではない。毎日、かなりの速度で、体力、気力を失ってゆく。
安東 つとむ追悼も書けなくなっていた。おのれの不様が情けなかった。

直接は知らないにしても、自分が関心をもっていた芸術家や、俳優、女優たちの死さえも心に響く。

ダニエル・ダリューが、100歳で亡くなった。私は、DVDで「輪舞」や「うたかたの恋」を見た。タリューほどの大女優が亡くなったのだから、誰かが追悼するだろうと思ったが、私の知るかぎりでは、ダリュー追悼の記事も出なかった。

おなじように、昨年80歳で亡くなったマリー・ラフォレを偲んで、「太陽がいっぱい」を見た。

2月、カーク・ダグラスが亡くなった。103歳。「チャンピオン」を見たかったが、DVDをもっていないので、西部劇を見た。さらに、この3月、ジェームズ・リプトンの訃報。2日、ニューヨークで亡くなったという。享年、93歳。温厚な人物だったが、私より1歳上とは知らなかった。
BSで、リプトンのインタヴューを見てきたのだが、ジェーン・フォンダ、ジュリエット・ビノシュのインタヴューなどは今でも鮮明におぼえている。
(再開 5)