1765 〈1977年日記 12〉

1977年5月20日

今日は、夏を思わせる暑さ。梅雨入りは例年より早いらしい。

朝、「コミュニティ-・センタ-」に行って、キャンプ場のことを聞いてくる。できれば、7月にバンガロ-を借りたいと思うのだが。安東 つとむ、吉沢 正英、石井 秀明、Y.T.たちと、このバンガロ-を拠点に縦走のプラン。

新築工事はかなりいいピッチで進んでいる。

「集英社」から、文庫30冊をおくってきた。これだけあると、とても一日では読みきれない。
吉行淳之介の「生と性」を読み、続いて小島 信夫の「女流」を読む。
ついでに、アラン・シリト-の「長距離走者の孤独」のなかの短編を。

 

 

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1977年5月21日

5月3日の日記に、私が書きとめたことば。記憶違いなので、訂正しておく。

人間は自分自身の像をおのれの獲得する認識のひろがりのなかにではなく、おのれの
投げかける問いのなかに見いだす。

アンドレ・マルロ-のことばだった。

午後、石本 太郎がきてくれた。宮沢 賢治の話をする。妹が2歳下だったことは知らなかった。賢治の内面に、なにかインセステュアスな情動を感じるのだが。先日、フランシ-ン・デュ・プレシックス・グレイのインタヴュ-から、アナイスのインセストについて考えたので、宮沢 賢治にまでそんな類推をひろげたのか。

 

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1977年5月22日

しばらく快晴が続いていたのに、今日は曇り。このところ、気圧配置は、日曜日になると雨ときまっている。昨日の朝、上海付近にあった低気圧がもう九州にきている。前線は関東の南・海上に。
ヴェトナムで、ペストが発生したというニュ-ズ。発生の場所、汚染状況などはまったくわからない。

夜、江田 三郎の訃報。革新・中道の「社会市民連合」を結成して、参議院選挙に出馬する予定だったらしいが、非運に見舞われたわけである。
江田 三郎の訃が、参議院選にどう影響するか。おそらくほとんど影響しないだろう。

夜、テレビ。
「殺意の週末」を見る。原作、セバスチャン・ジャブリゾ。監督が、アナト-ル・リトヴァク。サマンサ・エッガ-がでている。これはどうしても見ておきたい。ジャブリゾは、先日、浅丘 ルリ子のTVシリ-ズ、「新車の中の女」の原作者。

日本のドラマは、あい変わらず、池内 淳子、八千草 薫、岩下 志麻、十朱 幸代といったスタ-女優ばかり。ドラマといっても、見終わった瞬間に忘れてしまうようなものばかり。たまには、八千草 薫、岩下 志麻のしっかりした役で、TVドラマを見たいものだ。