1719 (私の歳時記・9)

暇つぶしに、女流の句にあたって見た。いい句が多い。

雪降るや 小鳥がさつく竹の奥     多代

初雪や 松のしずくに残りけり     千代

草の戸や 雪ちらちらと夕けぶり    よし女

雪ふんで 山守の子の来たりけり    なみ

雪ひと日 祝いごとある出入りかな   はぎ女

ほとんどが江戸の女流ばかり。現代の、中村 汀女を並べてみよう。

雪しづか 愁なしとはいへざるも    汀 女

私も、ときどき俳句を詠む。もとより、老いのわざくれ。去年は、

立冬に 九十翁の立ち眩(くら)み

今年はろくな俳句もできない。

(私の歳時記・9)

 

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