暇つぶしに、女流の句にあたって見た。いい句が多い。
雪降るや 小鳥がさつく竹の奥 多代
初雪や 松のしずくに残りけり 千代
草の戸や 雪ちらちらと夕けぶり よし女
雪ふんで 山守の子の来たりけり なみ
雪ひと日 祝いごとある出入りかな はぎ女
ほとんどが江戸の女流ばかり。現代の、中村 汀女を並べてみよう。
雪しづか 愁なしとはいへざるも 汀 女
私も、ときどき俳句を詠む。もとより、老いのわざくれ。去年は、
立冬に 九十翁の立ち眩(くら)み
今年はろくな俳句もできない。
(私の歳時記・9)