1720 (私の歳時記・10)

歩いて5分の距離に公園がある。さして大きな公園ではないが、古代の蓮、大賀ハスで知られている。
このハスは、毎年、初夏の公園でうつくしい花を開く。

公園には、ハトや、カラス、スズメなどが棲みついている。
池に小さな島があるのだが、もともとは土に杭を打って盛土した浮島で、松などが植えられている。冬は雪にそなえて、何十本もの縄がかけられる。雪吊りである。

この島にカモメ、オシドリなどの渡り鳥がやってくる。image
池に並ぶ杭や、島の岸辺に群れをなして羽を休め、冬の日ざしを浴びている。

俳句の季題にも、初カラス、初スズメなどがある。

門の木の 阿房鴉も 初声ぞ       一 茶

大雪の はたとやみけり 初鴉      月 嶺

鱈(タラ)架けの雪に 鴉が黙りゐる   亜 浪

初雀 一つ遊べる 青木かな       春 草

公園を歩いていての一句。

浮島や 雪吊り松の 初あかり     耕 治

(私の歳時記・10)

1719 (私の歳時記・9)

暇つぶしに、女流の句にあたって見た。いい句が多い。

雪降るや 小鳥がさつく竹の奥     多代

初雪や 松のしずくに残りけり     千代

草の戸や 雪ちらちらと夕けぶり    よし女

雪ふんで 山守の子の来たりけり    なみ

雪ひと日 祝いごとある出入りかな   はぎ女

ほとんどが江戸の女流ばかり。現代の、中村 汀女を並べてみよう。

雪しづか 愁なしとはいへざるも    汀 女

私も、ときどき俳句を詠む。もとより、老いのわざくれ。去年は、

立冬に 九十翁の立ち眩(くら)み

今年はろくな俳句もできない。

(私の歳時記・9)

 

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1718  (私の歳時記・8)

冬の公園。
たくさんの渡り鳥が、池に羽を休めている。

そればかりか、カラスやハトもこの公園をわがもの顔で縄張りをひろげている。

私の歩いている公園とは関係がないけれど、

冬ざれや 小鳥のあさる韮畠       蕪 村

冬ざれや 水田あたりの 夕烏      迂 呆

銀(しろがね)のうみ渡(わたる)もや 冬の月  抱 一

いずれも冬の名句だと思う。
「抱一」は、むろん、酒井 抱一だが、この句からまったく別の句を思い出す。

月影や 光あまねく 夏の海       輝 元

戦国武将、毛利 輝元が、大阪夏の陣に出兵したときの句という。輝元は、関が原の戦いでは、西軍の総大将だったが、大阪の陣では、徳川 家康に加担した。武将としての輝元に関心のない私だが、この句は、スケ-ルの大きいいい句。

(私の歳時記・8)