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以下は、私が考えたことではない。最近の日本語について、こんなことが出ていた。

慣用句の意味のとり違えの例。

おもむろに   ゆっくりと     44.5%
不意に       40.8%

枯れ木も山のにぎわい

つまらないものでも、ないよりはまし  37.6%
人があつまればにぎやかになる     47.2%

小春日和
初冬、おだやかで暖かいお天気     51.7%
春先、おだやかで暖かいお天気     41.7%

天に唾する
人に害を与えようとして、かえって
自分にたたるような行為をする     63.5%
自分より上の人をそしったり、けが
す行為をする             22.0%

「いよいよ」とか、「ますます」をあらわすことばでは、
いやがうえにも            34.9%
いやがおうにも            42.2%

こういう結果を見れば、誰でも「国語のみだれ」を指摘するだろう。

「おもむろに」は、正解が44.5%だが、40歳以下の世代では、6割以上の人が間違っていたという。「ゆとり教育」が、こういうかたちで「おもむろに」作用的結果をもたらしたと見ていい。あたじけねえ話だねえ。

文化庁の見解では――「日常的に使われない慣用句では、文脈から意味を推察する機会が少なくなり、ほんらいの意味がわからなくなっている」そうな。

ここからは、私の考え。
しがないもの書き、そして翻訳者として過ごしてきた私だが、ここまで国語教育を放置してきた文部官僚の責任は大きいと考える。そして、これからの小・中・高の英語必修が、国語に壊滅的なダメージをあたえるものと見る。

「いやがおうにも」おもしろい世の中になってきたぜ。せいぜい「天に唾する」のも、悪くねえ。いずれ「小春日和」に「おもむろに」おさらばしよう。ナニ、そちらさんの知ったことじゃねえか。