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グレタ・ガルボは、20世紀に登場した大スター。なみいる大スターのなかで、わけても最高の美女だった。そればかりではない。20世紀という時代を超越していまもなお私たちの感性に訴える「夢」の女性だった。
1900年、スウェーデン、ストックホルム生まれ。本名、グレタ・ルイザ・グスタフソン。
父は定職のない下層労働者で、ストックホルムの貧民窟に住んでいたが、しょっちゅう失業していた。グレタが13歳のとき父と死別。翌年から理髪店で働くことになった。非常な美貌だったため、おおきなデパートのセールスガールになり、短編のコマーシャルに出た。やがて、サイレント映画の喜劇に出て、けっこう評判になったらしい。これがきっかけで、王立演劇学校で演技の訓練をうけることになった。
この演劇学校で、演出家、モーリッツ・スティルレルに認められる。
スティルレルは、ヴィクトール・シェストレームの「ゲスタ・ベルリングの伝説」の舞台に使う若い女優を探していた。
「私は彼女の眼をまっすぐ見つめただけで、いともたやすく服従させられると気がついた」という。
スティルレルとガルボの「関係」は、いわば「ピグマリオン」と「ガラテア」にほかならない。「スヴェンガリ」と「トリルビー」と見てもよい。
最初の性体験の性質と内容が、ガルボの性生活を決定したと見る人は多かった。最初の処女喪失の体験は、相手の男性の所有物となる、つまり女性が隷属状態になるという見方で、これがスティルレルとガルボの「関係」だった、という解釈が出てくる。
若いガルボは、はじめて会ったスティルレルに性的に服従したと見ていい。