1602

 「SMASH 1」「2」をあわせて、私の好きなシーンをあげておこう。

 ブロードウェイで、長年、下積みのコーラスガールをやっている「アイヴィー」(メーガン・ヒルティー)は、「シューバート劇場」でアンサンブルのひとり。舞台に出る前にクスリを飲んでハイになる。
 そのため、舞台でころんで、その場でクビになる。
 劇場を飛び出した「アイヴィー」を、「カレン」(キャサリン・マクフィー)が追う。

 ブロードウェイの雑踏のなかで、日頃はライバルで仲のわるい二人が、歩きながら酒を飲む。すっかりほろ酔い気分の「カレン」は町角でキーボードを弾いている大道芸人に寄って行って、その曲を歌う。途中で「アイヴィー」に歌わせる。ふたりは「最悪の週末に乾杯 お酒で祝おう」と歌う。二人の歌にあわせて踊りだす通行人たちもいる。
 これが私の好きなシーン。「SMASH 1」「第9話」。

 「SMASH 2」は、クリスチャン・ボールの比重がましている。「1」でも、ボストンのトライ・アウトの朝、あたらしいショーをむかえる歓喜を歌う。これはすばらしい。「2」では、ハリウッド・スター、「マリリン」を空港でむかえる各国のジャーナリスト全員をクリスチャン・ボールが独演する。たいへんな才能だと思う。

 教会で「サム」(レズリー・オドム・ジュニア)が聖歌を歌って、途中から「カレン」(キャサリン・マクフィー)が交代するシーン。
 この、キャサリンの聖歌もすばらしい。

 「SMASH 2」は、このドラマらしい最終回をむかえる。
 華やかな授賞の式次第がつづく。
 クリスタ・ロドリゲス、キャサリン・マクフィー、ジェレミー・ジョーダン、レズリー・オドム・ジュニアが、「ヒット・リスト」のテーマを歌う。
 ブロードウェイ讃歌。

 そして、最後に、キャサリン・マクフィー、メーガン・ヒルティーのデュエット。
 終わりよければすべてよし。

 ジョシュア・サフラン自身が「最終話」の脚本を担当していることも、マイクル・モリスの演出だったこともおもしろい。