演出家の「デレク」が、意見の対立から「ボムシェル」の演出を降りたため、「カレン」も「ボムシェル」出演を断念する。そして、まるっきり無名の作詞家・作曲家による「ヒット・リスト」の上演に協力することになる。
やがて、「デレク」は「ヒット・リスト」を「フリンジ演劇祭」で上演する決心をする。
「ヒット・リスト」が、尖鋭(エッジー)なミュージカルなのに対して、フランスの古典、「危険な関係」を出してきた。「SMASH 2」の、ブロ-ドウェイ風刺が鮮明にあらわれる。
「危険な関係」の「セシール」は「ヴァルモン」によって妊娠する。その「セシール」を演じる「アイヴィー」の「運命」にかかわる伏線だが、このなかで、ミーガン・ヒルティーのオペレッタふうの歌がすばらしい。
この女優さんは、「SMASH 2」で、それまでの唱法よりも、もっと変幻自在な、いわば「オペラ・ブッファ」まで歌いきってしまう。これなら、「セシール」で、「トニー賞をもらってもいい。(むろん、このドラマでの話だが。)
ただし、「危険な関係」がフロップするのは当然で、ドラマの重心が、大きな変化を起こす。「アイリーン」と、「ニューヨーク・タイムズ」の記者のロマンシングや、巡業から「ボムシェル」に復帰しようとする「サム」(レズリー・オドム・ジュニア)と「トム」の破綻、「ヒット・リスト」の「カレン」と「ジミー」、「デレク」の三角関係などがからむ。そして、「ヒット・リスト」の原作者「カイル」の事故死。
それぞれが、落ちつかない展開で、「SMASH 2」全体の緊張は低く、盛り上がりを見せないまま、ラスト・スパートにむかって行く。