もう,誰の記憶にも残っていないだろうからここに書いておく。
日本のどこかに玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の墓がある。
いうまでもなく、「西遊記」の三蔵法師。三蔵法師なら,誰でも知っているだろう。そんなえらいお坊さんのお墓にいつか詣でてみたいと念願してきた。
しかし、その願いはついに果たせなかった。
玄奘三蔵は、長安に葬られたが、のちに宋の時代、南京に移されたという。
日中戦争の際に偶然、発掘され、当時,日本に協力した汪兆銘が改葬した。
このとき、遺骨の一部が日本に贈られた。日本側は上野の寛永寺で霊骨恭迎法要
をいとなんだのち、長安の大慈恩寺にちなんで、埼玉県岩槻市の慈恩寺に奉安し
た。ときに、一九四四年(昭和十九年)十二月二十三日。
埼玉県岩槻市なら,少し足を伸ばせば行けない距離ではない。いつでも行ける。いつか行って見よう。そう思いながら、いつしか忘れてしまった。
残念ながら、今の私には岩槻に行く気力、体力がない。
埼玉県在住のどなたか、いつか三蔵法師のお墓まいりをして頂けないだろうか。